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建設業のルール

建設業の基礎知識!工事進行基準とは?工事完成基準との違いは何?

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建設業には業界ならではの専門用語がたくさんあります。初めて建設に携わる方や建設企業を考えている就活生に向けて、今回は「工事進行基準」についてご紹介していきます。

工事進行基準とは?メリットはあるの?

建設業が他の業界と違う点は色々ありますが、まず「一つの案件が終わるまでの時間が長い」というポイントが挙げられます。大きなビルを建てたり海を埋め立てたりする場合、完成までに何年もかかるのです。そこで問題になるのが、会計処理。工事は年度を越えて続いているのに会計処理は年度ごとに区切るとなると、色々な不都合が生まれます。

そこで生まれたのが、工事進行基準という考え方。工事が始まってから終わるまでにかかる経費や最終的に得られる売り上げを分散し、工事の進行に合わせて数か月・数年にならして計算する方法です。工事進行基準の最大のメリットは、クライアントの曖昧な要求によるトラブルを避けやすいということです。工事進行基準では工事が終わるまでに何回か計上を行うので、その都度色々な項目の金額を確認しやすくなります。ですから最後になって実は大赤字だったというようなこともなくなるのです

工事進行基準ではクライアントが後からの要求に慎重になるため、結果として現場の仕事が無駄に増えにくいという側面もあるでしょう。軽い気持ちであれこれ頼まれるとその分作業が増えますが、前もってきちんと計画を立てられるのでスムーズに進められるのです。

急な人員増員や残業手当もなくなるため、人件費をコストカットできるというのもメリットの一つ。初めにきちんと段取りを組んでおけば、予定された人数だけで問題なく進めることができます。

工事進行基準にどんなデメリットがある?

メリットの多い工事進行基準ですが、実はデメリットもゼロではありません。何回かにわけて計上するのでその分請負側の作業が増えてしまいます。

また、クライアントに対して計画内容や契約について事前にしっかりと説明する必要も出てくるでしょう。今まではどんぶり勘定でスタートできていた分、契約のハードルは低めでした。しかし今では完璧な説明が求められるので、相手を納得させるだけの営業努力が必要不可欠です。

工事完成基準とは?

2009年4月1日以降、日本では原則として工事進行基準を採用することになりました。しかしそれまでは、工事完成基準というやり方も行われていたのです。予備知識として、こちらもご紹介します。

工事完成基準は、工事にどのくらいの時間がかかったかにかかわらず工事完了時点ですべての売上と経費を計上するやり方です。最後までもろもろの金額が不透明なので、工事が終わるまで果たしてこの案件が黒字なのか赤字なのかもわかりにくいという方法でした。しかしクライアントへの事前説明のハードルが低いので、比較的契約が決まりやすいというメリットもあったのです。

今となっては工事進行基準が採用され、工事完成基準は過去のものとなりました。しかし以前はこちらのやり方が主流だったのでぜひ覚えておいてください。

工事進行基準に適応した会計ソフトを使用する

工事進行基準は一般的な会計よりも複雑です。勘定科目も特有のものが使われます。それぞれの一覧は、以下の通りです。左側が一般的に使われている科目、右側がそれに対応した工事進行基準で使われる科目です。

売上高:完成工事高

売上原価:完成工事原価

仕掛品:未成工事支出金

売掛金:完成工事未収入金

買掛金:工事未払金

前受金:未成工事受入金

引当金:工事損失引当金

このように特有の知識が必要だからこそ、建設業に対応した工事進行基準で処理できる会計ソフトを使うことをおすすめします。建設業ではまだまだエクセルで会計処理している企業も多いのですが、それでは一部の社員しか内容がわからないという事態も引き起こしがち。

より健全な経営体制を整えるため、一考してみてはいかがでしょうか。

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