建設業のキホン!工事発注の流れとは?
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一つの工事が発注されるまで、どんな流れがあるのでしょうか?今回は建設業の基本ともいえる、発注フローについてご紹介します!
民間工事を発注するまで
工事発注までの流れは、民間工事か公共工事かによって変わります。まずは民間の工事についての解説です。
まず初めに、どの設計業者に工事を頼むのか選定が行われます。工事というのは工業製品などと違い、あらかじめ規格が決まっているわけではありません。そのため、どこに設計をお願いするかによって品質が大きく変わります。どんな経験を持つ設計者なのか、どんな人材がいる業者なのかなどを見極めることが必要です。
次に、設計監理業者に設計と積算をしてもらいます。設計監理業者とは、工事が設計図通りに進められているかチェックしたり、建築主の代わりに現場との打ち合わせをする業者のこと。工事を発注する建築主と、実際に工事を行う現場を繋ぐ役割だと考えると分かりやすいでしょう。
設計監理業者が決まったら、どの見積依頼業者を利用するか相談します。そこで5~6社ほど選定し、実際に見積もりに入ります。業者によって価格が変わるので、予算の中で納得できる品質の工事をお願いできるところを選びましょう。
工事の価格は、過去に行われた似ている案件から決められることが多いです。思ったよりも高かった場合は、より安い価格を提示している業者と競合させる形で値下げしていくという流れが一般的になります。
公共工事の場合

国や都道府県が発注する工事は公共工事と呼ばれ、民間のものとは性質が違います。まず工事を行うことが決まったら、競争入札というものを行います。行政は公平性を期すために、特定の業者に依頼しません。どの建設会社が工事を担うかは入札で決めるのです。
入札に参加するためには、「建設業許可を受けている」「経営事項審査を受けている」「各種税金に未納がない」「欠格要件に該当しない」という4つの条件を満たさねばなりません。ちなみに欠格要件とは、「破産者で復権を得ていない」「成年被後見人」など、いくつかの項目があるのでチェックしておきましょう。
入札には一般競争入札、公募型指名競争入札、工事希望型指名競争入札、指名競争入札といった種類があります。種類によって内容が変わるので、受注したい工事の種類を事前に確認しましょう。
新型コロナ感染症拡大による工事発注の影響
今年2月ごろから、新型コロナ感染症が拡大し始めました。それに伴い各業界で経営活動が自粛されましたが、建設業もこの影響を受けています。政府は、「国土交通省では、新型コロナウイルスの拡大防止に向けて、直轄の工事や業務において、受注者の申し出がある場合に、一時中止や工期の延長の措置を行い、これに伴う経費を発注者たる国交省が適切に負担します。」と発表。工事発注に関して特別な措置が取られました。(引用:国土交通省HP)
現時点(2020年6月)で、各都道府県の自粛は解除されています。しかし予断を許さない状況であり、今後も第二波、第三波が起こる可能性もあるでしょう。そうしたイレギュラーな事態にも対応できるよう、工事発注の流れ自体はしっかりと理解しておきましょう。